蕎麦で遊んでいます。今回は「JR大阪環状線おそば屋さん食べ歩き」です。
JR大阪環状線の各駅ごとに小生が食べ歩いたおそば屋さんの中のお気に入りです。本ブログのカテゴリー「おそば屋さん食べ歩き」のサブカテゴリ―的な感じです。ちなみに,大阪環状線の駅は天王寺、新今宮、今宮、芦原橋、大正、弁天町、西九条、野田、福島、大阪、天満、桜ノ宮、京橋、大阪城公園、森ノ宮、玉造、鶴橋、桃谷、寺田町の19駅ありますが,大阪はどちらかといえばうどん文化圏であり,必ずしも各駅の近くにおそば屋さんがあるとは限りませんができるだけ各駅の徒歩圏内で食べ歩いてみたいと思っています。
小生は趣味でそばを打ちますので,どうしてもそばそのものや汁に関心が向かってしまい,天ぷらや鴨などの種物,お酒やアテなどの料理ものについてはあまり紹介できないかもしれませんがご容赦の程。また,内容はすべて訪問した当時のものであり,現在も変わりないかどうかはその都度確認していませんので悪しからず。(おそば屋さん食べ歩き日記通し№18)
しばらく,「おそば屋さん食べ歩き」の日記がご無沙汰になっていましたが,相変わらず食べ歩きは続けており,少し前の分になりますが,印象に残ったお店を書いておこうと思います。
№2 「いもせ」 (玉造駅) 2024.10.26訪問
JR大阪環状線の玉造駅を出て,奈良時代から大阪と奈良を結ぶ古道でもあった奈良街道を10分弱歩きますと,住宅地と商業地が入り混じった感じの一角におそば屋さん「いもせ」があります。お店の入口正面は,間口はそれほど広くはなく,古い田舎家の玄関風で,古色感のある木材と白壁を基調とした造りになっており,入口への導入路には幅広の木材の横木が敷かれ,脇には南天や紅葉が植えられ,瓦葺きの覆い屋根のある小ぶりの井戸も設けてあるなど凝った造りになっていました。
当日,私共は予約の上で開店時間の11時30分少し前に到着しましたが,人気店とのことで,何組かが既にお店の前に佇んでおり,時間になると白い暖簾が掲げられ,スタッフにより中へ招じ入れられました。
お店の中に入りますと,まず,囲炉裏を切ってある木造りの大きめのテーブル席が目につきますが,そのテーブル席のさらに奥に向かって見事に焦げ茶色に光る一枚板でしょうか柔らかい自然のカーブを描いている長めの木のカウンターテーブルがあり,6席程度の籐椅子席が置かれていました。さらにその奥にはガラス戸を隔ててそば打ち部屋が見えており,お店の中は,天井,床や壁には古色感のある木や竹や土壁がふんだんに使われ,柔らかい照明のせいか全体的に落ち着きのあるゆったりとした趣のある雰囲気が感じられました。
私共は,囲炉裏の切ってあるテーブル席に案内されましたが,囲炉裏には火は入っていなかったものの,自在鉤にぶら下がった大きな黒い鉄鍋がかけられその木蓋の上にメニューがのせられていました。
メニューは品書きが書かれた何枚かの白い和紙が草色のやや厚めの和紙の表紙に挟まれ細い黒紐で右綴じにされたものでした。
早速,メニューを眺めますと,「冷たい蕎麦」としてまず「盛りそば」があり,さらにその中に「せいろ」,「田舎」,「十割」と書かれていてそれぞれに短く説明が書かれていました。メニューの説明書きによれば,石臼自家製粉とのことでしたが,前2者はいわゆる二八で,「田舎」には蕎麦の実の甘皮が入っていると書かれていました。盛りそばとして三種類提供してもらえるのはうれいしいことです。その他には,そばの選べる辛味大根,ぶっかけ,鴨せいろなどが並んでおり大いに迷うところでしたが,初めて伺ったところでしたので,まずは「せいろ」を,次に「十割」をお願いしました。
このころにはお店は満席になっていましたのでやや待ちましたが,「せいろ」は,しっかりとした感じの白めの竹笊にやや平らに盛られて提供されました。そばは,細からず太からず,やや白っぽい感じでツヤツヤと輝いておりホシはわずかに見える程度です。少なめのそばつゆの入った白色のそば猪口と白葱の小口切りと多めの山葵がのった黒色の薬味皿とともに濃い焦げ茶色の四角の木盆にのせられていました。
そばを2,3本,箸でつまんで食してみますと,爽やかなそばの香りがふわりと感じられ,長さは十分にあって,いわゆる角の立ったそばが口中で心地よく,噛むとフツリと切れます。少なめのそばつゆは醤油感がやや強い感じがしましたが気になるほどではなくバランスの取れたつゆだと思いました。そのつゆでそばを啜りますと,そばとつゆの旨味が重層的に口中に満ちます。そばの量が少ないわけでもなかったのですが,あっという間に「せいろ」を食べ終わってしまいました。
「せいろ」の食べ終わりを見計らって「十割」が提供されましたが,こちらはしっかりした感じのやや茶色がかった竹笊に存在感たっぷりに盛られて提供されました。そばは,「せいろ」より気持ち太めでしょうか,色は黒味の勝った濃い茶色ですが,むしろ透明感が感じられ星は随所に散っています。
これも2、3本を箸でつまんで食しますと,そばの濃い香りと少し意識して噛まねばならない弾力が感じられます。添えられたたそばつゆは「せいろ」のつゆと同一でしたが,そのつゆでそばを啜りますとややつゆの方が負けているような気がしました。こちらは一気に食べてしまうというよりはそばの色や濃い香りを味わいながらきちんと噛んで弾力も味わいつつ食べました。
そばの産地を伺いたかったのですが,お昼時の多忙さが見て取れましたので次回に伺うこととしました。
また,当日は食べられませんでしたが,「冷たいそば」の甘皮入りの「田舎」も食べてみたいと思いましたし,又,メニューには,「温かいそば」として,「かけそば」,「にしんそば」,「鴨南蛮」などが並び,蕎麦前やアルコール類もありましたのでこれらもぜひ味わってみたいと思いました。
【 店の電話番号 】06-6762-5147
【 アクセス 】JR大阪環状線玉造駅北出口から徒歩約8分
【 営業時間 】木・金・土・日 11:30~14:00
【 定 休 日 】月・火・水
【ひとり分の平均的な予算】 1,500円程度
【 予 約 】可(予約優先)
【クレジットカード】不可
【 個 室 】不明
【 席 数 】15席程度