sobayanoyutoの蕎麦道楽日記

大好きな蕎麦で遊んでいます

おそば屋さん食べ歩き~三種類のそばを見事に打ち分けてそばの幅広い魅力を提供するおそば屋さん(大阪市)

 蕎麦で遊んでいます。今回は「おそば屋さん食べ歩き」です。
 小生が食べ歩いたおそば屋さんの中のお気に入りです。小生は趣味でそばを打ちますので,どうしてもそばそのものや汁に関心が向かってしまい,天ぷらや鴨などの種物,お酒やアテなどの料理についてはあまり紹介できないかもしれませんがご容赦の程。また,内容はすべて訪問した当時のものであり,現在も変わりないかどうかはその都度確認していませんので悪しからず。

№11 笑日志(えびし 大阪市) 

                             R5.10末訪問

 大阪メトロ堺筋線京阪電車(京阪電気鉄道)の北浜駅で降り,証券会社等が林立する大阪の金融街の中心である北浜を南西へ5分程度歩いて,水都大阪の水の回廊の一角を担っていた東横堀川にかかる平野橋西詰を北に折れて,ビジネスマン達が忙し気に行きかう街の喧騒からやや逃れたところに,「手打蕎麦 笑日志」があります。
 お店の間口はそれほど広くはなく,昔の倉庫か何かの建物をリノベーションしたような感じでおそば屋さんというよりもむしろカフェか小さなレストランのようですが,入り口の左手に掲げられた「手打蕎麦 笑日志」と丸文字系で書かれた小さめの横書きの看板がお店の入りやすさを教えてくれます。

 当日は,開店時刻の10分ほど前に到着したところ,既に2組の先客が開店を待っていました。開店時刻と共に小さめの薄いよもぎ色の暖簾が出され,先客に続いてお店に入りました。お店の中は,こじんまりとした感じでしたが,お店の広い窓から平野橋と川辺の緑地の風景が気持ちよく一望できましたので狭さを感じず,また,自然光がたっぷりと入る中で,木造の梁などをそのまま見せた天井空間やアンティーク調の木のテーブルや椅子類が落ち着いた雰囲気を醸し出しています。席数としては,カウンター5席、テーブル4台8席のようでした。

 そばとしては3種類あり,すべて石臼自家製粉の十割そばとのことで,お店のメニュー名では,「絹挽きせいろ(微粉の細切り)」,「田舎せいろ(玄挽きの太切り)」さらに「粗挽き粒せいろ(極粗挽きの太切り)」となっていました。それらのそばの単品や2種類を組み合わせた「2色せいろ」と3種類全部の「3色せいろ」がありました。他に温かいメニューや種物などもありましたが,初めて伺ったお店ですし,やはり「3色せいろ」をお願いしました。

「絹挽きせいろ(微粉の細切り)」です

 待つほどもなく,「絹挽きせいろ」が使い込んだ感じの丸型の竹笊にやや山高に盛られて提供されました。そばは,細切りで,透明感のある白色を感じさせる薄めの茶色を呈し,ホシはほとんど見当たらず,表面は滑らかで光沢を放ちつやつやとしています。2,3本を箸でつまんで口中に入れて軽く噛みますと、気持ちよくふつりと切れ,ほのかなそばの香りと共にすっと喉を通り過ぎます。そばの茹で加減や締め加減がこのそばの食感の美味しさを際立たせてくれているのだろうと思いました。
 つゆを舐めてみますと,すっきりとした醤油感のある甘さがほどほどに抑えられた重くないバランスのよいつゆでした。そのつゆでそばをすすりこみますとそばとの相性も良く,口中でそばとつゆの香りや味わいが広がるように感じられました。微粉の細切りとのことで,篩の目合なども伺いたかったのですがお昼の時間帯で忙しそうでしたので次回にしました。

「田舎せいろ(玄挽きの太切り)」です

 こちらが食べ終わるのを見計らったように次の「田舎せいろ」が先ほどの笊よりも太めに編まれた笊で存在感たっぷりに提供されました。玄挽きの太切りというだけあって,やや濃い目の茶色を呈しホシも随所に見えますが,表面は滑らかで光沢があります。こちらはきちんと噛まねばなりませんが,歯ぬかりはなく,強い穀物感のある香りが喉を通り過ぎます。提供されたそばつゆでは少しつゆがあっさりしている感じもしましたので,カウンターの上にあった岩塩と思われる塩を少量だけそばの上にのせて食べてみますとそばの強めの食感や香りが広がり美味しくいただきました。

「粗挽き粒せいろ(極粗挽きの太切り)」です

 さらに,食べ終わりを見計らって「粗挽き粒せいろ」が濃い焦げ茶色の混ざった太めに編まれた笊でやや山高に盛られて提供されました。お店の説明によれば,いわゆる丸抜きを極粗挽きにして打ったものとのことでしたが,「田舎せいろ」と同じ程度の太切りですがやや短めで,色味は薄茶色,そばの表面は先ほど食べた2種類の蕎麦と比べれば,滑らかというよりはやや粒々感があり甘皮の欠片らしきホシが星が所々に見えます。これも,まず2,3本を箸でつまんで口中に入れますと,とたんに強いそばの香りが感じられ,噛みますともちもちとした弾力が分かります。これもそばつゆよりも塩で食べますと,そばの甘みも感じられ,香りともちもち感を味わいながら美味しくいただきました。辛味大根との相性がよさそうだと思われ,別に注文できそうなので,次回は試してみたいと思いました。 

 その後、小さめの陶器製の湯桶でそば湯が提供されましたが,トロリとした香りも濃いそば湯で,そばつゆと合わせていただきましたがホッとする感じでした。最後に,忙しそうにしているスタッフにそば粉の産地を尋ねたところ島根松江産とのことでした。

 メニューでは,酒肴やアルコール類も充実しているようで,当日も昼時でしたが相客の中には日本酒を楽しんでいる客もおり,次回は夜に訪問したいと思いました。

【 お店のデータ】

【 電話番号 】06-6232-3733

【  住 所  】大阪府大阪市中央区平野町1‐1‐2 

【 アクセス 】大阪メトロ堺筋線「北浜駅」5番出口より徒歩約5分,京阪本線「北浜駅」30番出口より徒歩約5分

【 営業時間 】平日 昼11:30~14:00 夜18:00~21:30 

       日・祝日 昼11:30~14:00 夜18:00~20:30

【 定 休 日 】火・土曜日