sobayanoyutoの蕎麦道楽日記

大好きな蕎麦で遊んでいます

アルモンデそば(№31)~海の香りのそば二種と焼鯖寿司

 そば打ちを趣味としている小生の家の冷凍庫には,打った日に食べきれなかったそばの冷凍が常に保存されていますが,家人からは何とかせよとの厳命を受けることもしばしばあり,そうなりますと,小生の在宅時の昼食はほとんど冷凍したそばを食することになります。そのため,冷凍手打ちそばを何とか美味しく食べようと,その時に家に「あるもんで」いろいろと手を変え品を変え努力することとなりますが,もちろん冷凍とはいえ手打ちそばですから主役はあくまでそばであり,できるだけそばの風味を生かしつつ,何とか美味しいそばを食すべく考えたそばメニューを「アルモンデそば」のカテゴリーでこのブログに日記風に書いています。

№31 「あおさのりそば」と「花巻そば風」と焼鯖寿司

「あおさのりそば」 磯の香りが立ちます 薬味は山葵ですが載せ方にやや難あり                  

 そばのメニューの一つに「花巻そば」というものがあります。御承知の方も多いと思いますが,熱いかけそばに上等の海苔(焼き海苔)を綺麗に散らしたそばの食べさせ方の一つです。名前の由来は地名ではなく,海苔は磯の花、波の花にも例えられ、それをそばの上にきれいに巻き散らすことから花巻の名前がつけられたともいわれているそうです。
 また,このそばは,海苔の香りとそばの味を楽しむのが目的であり、薬味には「ねぎ」ではなく「山葵」が添えられるのが定番のようです。
 小生,温かいかけそばの中ではこの花巻そばが大の好物で,海苔が熱いかけ汁で程よくほぐれ溶け,それをそばと一緒にすすりますと,そばと溶けかけの海苔の食感が海の香りと共に口中に満ちます。静岡県島田市の「藪そば 宮本」で頂いた「花巻そば」は忘れられない味として記憶に残っています。きちんとしたおそば屋さんでは高級な海苔を使ってくれますが小生などが自宅で作る分にはそんなに高級な海苔はなかなか使わせてもらえませんので,海苔がかけ汁でなかなかほぐれずに残念な思いをすることになります。それでも,時々無性に食べたくなり,自宅で花巻そば「風」を作ってはうーんとなるのですが,今回も性懲りもなくまた作ってしまい,やはり「う~ん」となりました。

「花巻そば風」です。海の香りは立ちますが見た目がどうにも「うーん!」です

 結果は上の写真のとおりで今回もなかなかそれっぽくはならなかったのですが,食べますと雰囲気はありましたのでよしとしました。
 本日は,家人がそれを見て自分も食べてみたいとのことでしたので,引き受けたものの,同じものを作る気になれず,たまたま冷蔵庫にあった「あおさのり(三重県伊勢湾産)」を使って「あおさのりそば」を作ってみようと思い立ち,例によって,冷凍庫に眠っていた手打ちそば(常陸秋そばの十割)の冷凍を使い,自家製のそばつゆをかけ回して,その上に「あおさのり」をふんだんに乗せ広げて真ん中に山葵を飾りました。一番上の写真がそれですが,「あおさのり」の青色がきれいでしたし,海苔とはやや異なる海の香りも立って,食感はむしろ「花巻そば」に似ており,家人の評判もよく小生も美味しくいただきました。
 「あおさのり」はヒトエグサが正式名称だそうですが,生の「あおさのり」は年中出回っているというものではなく,おそば屋さんでもあまりお目にかかったことはないのですがこれはこれでありかなと思いました。

 本日は,昼過ぎから,広島の伝統芸能である神楽の大阪堺公演があり,小生,単身赴任時に,その豪華絢爛さや伝統を発展的に継承していこうとする地元の心意気が気に入ってよく見に行ったのですが,大阪でも見られるとのことで十数年振りで見てきました。日本武尊(ヤマトタケル)よりもむしろ戦う相手の土地の豪の者や八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の方が主役に見える独特の世界を堪能しました。


 公演が終わってから会場のロビーで売られていた物品の中に「焼鯖寿司」があり,「中国山地 鯖街道 美里町の焼鯖寿司」のコピーに惹かれて購入してしまいました。関西では,福井から京都に通ずる鯖街道は有名ですが,中国山地にも鯖街道があったとは知らず思わず購入してしまいました。少し調べますと,戦国時代に、毛利氏などが往来したとされる「宍道尾道街道」が島根県出雲で水揚げされた鯖(焼鯖)が、広島方面へと運ばれる道でもあったとのことでした。
 これを「あおさそば」のお供に,家人と分け合いながらいただいて本日のアルモンデそばとしました。