sobayanoyutoの蕎麦道楽日記

大好きな蕎麦で遊んでいます

アルモンデそば~定番のたぬき

 そば打ちを趣味としている小生の家の冷凍庫には,打った日に食べきれなかったそばの冷凍が常に保存されていますが,家人からは何とかせよとの厳命を受けることもしばしばあり,そうなりますと,小生の在宅時の昼食はほとんど冷凍したそばを食することになります。そのため,冷凍手打ちそばを何とか美味しく食べようと,その時に家に「あるもんで」いろいろと手を変え品を変え努力することとなりますが,もちろん冷凍とはいえ手打ちそばですから主役はあくまでそばであり,できるだけそばの風味を生かしつつ,何とか美味しいそばを食すべく考えたそばメニューを「アルモンデそば」のカテゴリーでこのブログに日記風に書いています。

№16 定番のたぬき

見た目は映え感に欠けますが味はなかなのものと自画自賛!?

 本日の昼食アルモンデそばは,冷蔵庫に,大阪風に言いますと「お揚げさん」が数枚残っていましたので,定番のたぬき(そば)にすることにしました。冷凍手打ちそばは北海道美瑛産の新そば粉を使って3週間ほど前に打ったそばの冷凍です。冷凍そばが残り少なくなりましたので近々にまた打とうと思います。
 大阪のスーパーなどでは,正方形の揚げを甘辛く煮たものを2,3枚パックにして,きつねうどん用の揚げとして売っておりそれを使えば簡単なのですが,ここはアルモンデの流儀(小生が勝手に決めたんですが!)に従い,自分で揚げを炊く(関西では「煮る」ことを「炊く」という場合も少なくありません。)こととし,油抜きから煮含めるまで30分ほどかかりましたが,まあ何とかそれっぽいものが出来上がりました。同時並行でかけつゆ用の昆布と鰹節の出汁を取っていましたので,今回はかえしを使わず,出汁に薄口醤油・味醂・酒・砂糖で直接調味してかけつゆとしました。あとは,そばの上に揚げを2枚(贅沢!)のせて,かけつゆを張れば出来上がりです。

 余計なこととは思いますが,一応説明しておきますと,大阪などでは,そばの上に甘辛く炊いた四角い揚げをのせたものを「たぬき」という場合が多いのですが,一方,「きつね」は同じように揚げののったうどんを指します。これはきつねのうどんがそばに化けたからたぬきと言ったとか,うどんの白に比べてそばの色黒なところからきつねではなくたぬきをイメージしたものとか諸説あります。
 大阪のうどん屋さんなどでは,かつては,きつねうどんのことを「きつね」でなく「しのだ(信太)」と言うことも多かったのですが,これは大阪南部の信太山に狐にまつわる伝説があり,そこから始まったと言われていて,うどん屋さんのおばちゃんが帳場に注文を通す「しぃのだ~」と語尾を伸ばす声が懐かしく思い出されます。
 なお,関西の中でも京都などでは,「きつね」でも「たぬき」でも四角の甘辛い揚げではなく,細く切った味付けしていない揚げを使うようです。
 関東方面ではたぬきそばは揚げ玉とねぎののったそばを指すと聞いたことがありますが,大阪などでは揚げ玉(大阪では「天かす」と言いますが。)ののった同じようなものをハイカラそばと呼ぶ場合が多いです。

 本日は,11月というのに気温が27℃位になるとのことで,冷たいそばの方が良かったかなあと思いながらも,揚げさんを炊いた汁の残りを少しかけつゆに入れて甘くしたものを飲み干してしまいました。