sobayanoyutoの蕎麦道楽日記

大好きな蕎麦で遊んでいます

蕎麦で遊ぶ~客の好み次第の十割を打ち立てで提供するお蕎麦屋さん(奈良市)

 蕎麦で遊んでいます。今回は「お蕎麦屋さん食べ歩き」です。
 小生が食べ歩いたお蕎麦屋さんの中のお気に入りです。小生は趣味でそばを打ちますので,どうしてもそばそのものや汁に関心が向かってしまい,天ぷらや鴨などの種物,お酒やアテなどの料理についてはあまり紹介できないかもしれませんがご容赦の程。また,内容はすべて訪問した当時のものであり,現在も変わりないかどうかはその都度確認していませんので悪しからず。

 小生,8月末頃に新型コロナに感染してしまい,3週間ほど経過して,症状は軽快したものの,味覚障害のせいか塩味をきつく感じるようになり,また,なんとなく倦怠感があり,大好きなそば打ちもする気にならず,ブログも開く気になれずにいましたが,昨日,今日あたりはだいぶましになってきた感じがあります。
 今回,ご紹介する蕎麦屋さんは,コロナ感染前に伺ったお店です。

 №8 そば処 鴟尾(しび) (奈良市) R5.8.23訪問

門から中のお店を眺めます

お店の入口は右手の扉を押して入ります

 近鉄電車(近畿日本鉄道)の大阪難波駅からは約30分,逆に近鉄奈良駅からは約15分の富雄駅で降りて,北側の住宅街の狭めの道を4~5分程歩くと,古い木造の家屋で隠れ家的雰囲気の「そば処 鴟尾」があります。石積みの門柱横に掲げられたお店の名前が墨書風に横書きされた古びた感じの木製の看板が印象的です。門から,普通の家のやや広めのお庭といった風情の中に敷かれた置き石を伝って入りますと,突き当りの玄関戸に,「入り口は右側の扉をお開けください」という札が懸かっており,自宅を兼ねたお店であろうと思われました。

 当日は,開店待ちの相客はおらず,開店時刻には少しだけ間がありましたが,扉を押しますと中から声がかかって招じ入れられました。お店の中は,お蕎麦屋さんというよりも,郊外の大きめの洋風な家のリビングといった感じで,床は板張りで他にもふんだんに木が使われ,カウンター席は見当たらず,テーブル席のみで6卓あり,落ち着ける空間となっていました。

 早速,A4版の各ページがラミネートされ小冊子状になったメニューを開きますと,まず最初に「冷たいお蕎麦」の頁があり,いきなり「十割蕎麦」の品書き目を引きます。さらに,「十割蕎麦」はお店の表記によれば,「丸抜き 江戸蕎麦」と「玄挽き 田舎蕎麦」に分かれており,それぞれ簡単な説明が書かれています。
 さらに,注目すべきは「ブレンド十割蕎麦」という品書きで,説明書きによれば,客の要望に応じて,丸抜きの粉に玄挽きの粉を足すと書かれていました。

 客の要望を聞いてからそば粉のブレンドの割合を決めるということは,作り置きをせずにその場その場でそばを打ってくれるのだろうかと思い,スタッフに伺うと,十割そばはすべて注文を受けてからそばを打つとのことで,それなりの時間を待っていただくとのことであり,また,「ブレンド十割蕎麦」についてはできれば前日までに連絡してもらいたいとのことでした。

 そうなりますと是非にも十割そばをお願いしたいと思い,「ブレンド十割蕎麦」は次回のこととして,当日は,十割蕎麦の「玄挽き 田舎そば」の大盛りをお願いし,打ち上がるのを待つこととしました。

九一の江戸(白い方)と二八の田舎(黒目の方)の合い盛りです

 当日は二人で伺ったのですが,連れは「本日のお蕎麦」という品書きを確認したところ,「九一の江戸」と「二八の田舎」の合い盛りとのことでそれを頼んでいました。

 

 「本日の蕎麦」は待つほどのこともなく提供されましたが,長角そば箱とでもいうのでしょうか,やや使い込まれた感じの大きめの長方形の木箱に,乳白色を呈する丸抜きと濃い目の茶色を呈する玄挽きがそれぞれこんもりと盛られていました。その色の対比がすっきりとしていて,香りや食感の違いも楽しめるだろうと思いました。

玄挽き十割の田舎です

 それから10分ほども待ったでしょうか,お願いした十割の「玄挽き 田舎そば」が,やはり長角そば箱にこんもりと盛られて提供されました。そばの色は「二八の田舎」よりもさらにやや黒味を帯びて小さな星も数多く見えます。やや細めにきれいに切られて長さもありいわゆる角が立っている様子が分かります。何しろ打ち立てですから,先ずは二,三本を箸でつまんですっとすすりこみますと,舌触りはややザラリとしており,きちんと噛むことを求められますが,喉の辺りから穀物感のある香りが口中から鼻腔にかけてに満ちてきます。スタッフお勧めの塩でも食べましたが,蕎麦の表面が歯に当たる感じが強くなり,思わず半分ほども食べ進めてしまいました。そばつゆはやや醤油感が強いもののバランスはとれている感じのつゆでしたが,濃厚な風味の玄挽き十割の田舎そばによく合っていました。

 このお店のメニューには「くるみだれ」が載っており玄挽きの十割そばにつけながら食べればそばの風味が一層引き立つであろうと思いました。また,定番のそばメニューや天ぷらや酒肴などもありましたし,温かいそばは11月からの冬季限定となっていましたのでまたその頃に伺いたいと思いました。

 

【 店の電話番号 】0742-46-9384

【 住 所 】奈良県奈良市富雄北2-4-30 

【 アクセス 】近畿日本鉄道奈良線富雄駅徒歩4分

【 営業時間 】昼11:00~14:30 夜17:00~22:30(第2・第3火曜日は昼のみ)     

【 定 休 日 】水曜日