sobayanoyutoの蕎麦道楽日記

大好きな蕎麦で遊んでいます

蕎麦で遊ぶ~からだに優しい蕎麦をめざすお蕎麦屋さん(堺市)

 蕎麦で遊んでいます。今回は「お蕎麦屋さん食べ歩き」です。

 小生が食べ歩いたお蕎麦屋さんの中のお気に入りです。小生は趣味でそばを打ちますので,どうしてもそばそのものや汁に関心が向かってしまい,天ぷらや鴨などの種物,お酒やアテなどの料理についてはあまり紹介できないかもしれませんがご容赦の程。また,内容はすべて訪問した当時のものであり,現在も変わりないかどうかはその都度確認していませんので悪しからず。

 №7 いんなーと みやびの (大阪府堺市)

 大阪と和歌山を結ぶJR阪和線の始発駅天王寺から約30分の津久野駅で降りて徒歩約5分の小ぶりなマンション1階に,店内の様子が分かる大きなガラス窓二枚とそれに挟まれた木製の一枚扉が印象的な「いんなーと みやびの」があります。暖簾も木製の看板も無く,佇まいは小さなカフェか洋菓子屋さんのようですが,お店に近付くと,扉の前にはそばのメニューやそば粉の生産地などが書かれた小さめの縦長の黒板が置かれ,おそば屋さんであることが分かりますし,さらに,店横の外壁に,お店のもりそばの写真,店名とメッセージ「美味いそばはもちろんからだに優しいそばを追求します」が印刷されたおそば屋さんには不釣り合いなほど大きめの布状のスクリーン幕も懸かっていました。

 当日は,開店時刻の11時30分直後に伺ったのですが,扉を開けて中に入ると既に先客が1組おられました。お店の中はこじんまりとしており,雰囲気はいわゆるお蕎麦屋さんの和の雰囲気というよりはむしろ町の小さなレストランという雰囲気で,入って左側に調理スペースを囲む形でカウンター席が6席,右手に4人掛けテーブル席が2台(合計14席)あり,店内は白色を基調とした漆喰や木材がふんだんに使われ,落ち着いて食事ができそうでした。カウンター席の奥ではあまり大きくはない電動石臼が回ってそばを挽いておりおそば屋さんであることを物語っていました。店主と他に3人のスタッフがおられ,昼食時は多忙なのだろうと思いました。

 カウンター席の端に席をもらい,メニューを見ますと,メニューはビニールコーティングされた小冊子の体裁になっており,ほとんどのメニューが写真と簡単な説明付きでした。メニュー数としてはそれほど多いとまでは言えないものの一通りのものはそろっており,甘味やアルコールやそれに合う定番の蕎麦前や鴨などの他の一品料理もありました。そばとしては,石臼挽き自家製粉の十割そばで,玄挽きを使ったものもあるとのことでメニューによっては客がそばを選べるようになっていました。 

 初めて伺ったお店でしたので,まずはもりそばをお願いしようとしたところ,スタッフの方から,普通のそばか玄挽きにするかを尋ねられ,丁寧な説明によると,普通のそばはそば殻を除いて打った十割で玄そばの産地は福井県丸岡,玄挽きはそば殻ごと挽いて打った十割で玄そばの産地は青森とのことで,食べやすいのは普通のそばの方とのことでした。こちらとしては,どちらも食べてみたいものですから,まずは普通のそばでもりそばを,続いて玄挽きをおろしそばで,とお願いしました。

「もりそば」です

 ほどなく,少なめの汁の入ったそば猪口,追加用の徳利,わさびと関西風に青ねぎがのった薬味皿が置かれましたので,汁を少し舐めてみたところ,店の説明書きによると,昆布も鰹節も使われているようでしたが,どちらかが際立っている感じではなく,かといって醤油感が強いというわけでもなく,非常にバランスの取れた深みのある汁だと思いました。そば湯で割るのが楽しみです。続いてもりそばが提供されましたが,そばは,白色にわずかに茶色が入った大きめの角皿の真ん中に丸い笊が置かれてその上にやや山高に盛られており,また,皿,そば猪口,徳利,薬味皿は揃いの焼き物としてつくられたものであることが分かります。それが揃った景色は一幅の絵でも見ているようでしたが,そばは薄茶色を呈しており,ホシは見当たらず,やや細めで見た目にもいわゆる角が立ち,量としてはやや多めかなと思いました。

 2,3本を箸でつまんですすりこみますと,長さは十分にあり,よく水が切られていて,やや噛むことを求められるしっかりとした食感で,最初はそばの香りは薄いかと思いましたが,飲み込む際にはそばの清々しい香りが感じられました。さらに,バランスの良いそばつゆに軽くつけてすすりこみますとつゆがそばの味を邪魔せずにそばの風味をより強調する感じがしました。

 

「玄挽きそば」です

 もりそばを食べ終わって箸を置くと,すぐに器が下げられ,程なく,玄挽きそばのもりそばが,先ほどの角皿と揃いの丸皿で白にわずかに茶色が入ったものに笊なしで盛られて提供されました。こちらはいかにも玄挽きの姿をそのまま表現したようなそばで,先ほどの普通のもりそばよりも濃い茶色を呈し,ホシが随所に見えます。先ほどの普通のもりそばよりは少しだけ太いものの,十割とのことですが,特に長さの短いものもなく,よく水が切られていて,2,3本を箸でつまんですすりこみますと,もっちりとした食感ですが歯ぬかりなどはせず,噛むたびにいわゆる穀物感のある香りが感じられます。おろしそばとのことで,薬味皿には多めの辛み大根が添えられていましたが,辛み大根をそばと共に食しますと,玄挽きの食感が一層引き立ちました。

 お店のメッセージである「からだに優しいそば」というのは,お店のホームページによれば,美味しいそばであることはもちろんだが,食材には国産の天然素材を使い,人の手をかけ,昔からの製法にこだわり,店の中にも自然素材を使って,そばが本来持っている体に優しい食べ物であることを大事に提供したい,という思いのようでした。

メニューの一部です

 お店のデータ

・店の電話番号 072-272-2112

・住 所 大阪府堺市西区津久野町2-3-33 

・アクセス JR阪和線津久野駅徒歩5分

・営業時間 昼11:30~15:30  

・定 休 日 水曜日,第1・3火曜日

・個 室 なし

・席 数 14席(カウンター卓6席,テーブル2席(4席×2))

・禁煙,アルコール有

・予 約 不可,クレジットカード 一部可,駐 車 場 あり